迷子の王様 ~君たちに明日はない5~ 日々一生懸命に生きる。

先日、日本人の殆どの世代の半分以上の人が老後に不安を感じているというデータを見ました。私は現在50歳目前の49歳で、とても老後に不安を感じており、あまり長く行きたくないなぁ・・・などと思うようにもなりました。夫が今年に入って二度のリストラを経験したという事もあります。これまで専業主婦をしてきて、在宅ワークを始めましたが、お小遣い程度しか自分自身は稼ぐ事ができない現状という事もあります。

そんな矢先、大好きな作家である垣根涼介の~君たちに明日はない~シリーズを全シリーズ読み返し始めました。このシリーズ完結となる「迷子の王様」を最後に読んでいて、ふと、自分なりに思うところあり、考えるところあり、そしてポジティブに持っていけそうなヒントを見つけました。人間、同じ本を読んでいても、再度読んだ時期や自分の心持や状況で、引っかかる部分や思う事が違うのだな・・・と感じました。多分、前回読んだ時はさっと読んで、あまり心に残らなかった部分だったように思いますが、今回は凄く心に響きました。

私の夫はずっとITの仕事をしてきたのですが、50歳目前になり、新しいスキルを学ぶ事に若い人ほど追いつけておらず、古いシステムでの仕事の需要が切れた今、大変に苦労しています。今回の就活で、雇用方法も20年前や10年前とも状況が激変していると感じると言っていました。

「この君たちに明日はない」シリーズは、リストラ請負会社の社員である村上信介のお話です。この完結ではそのリストラ請負会社を社長がたたむ事になり、村上信介は無職となります。この村上さんは仕事を失った後、自分がリストラした色んな人々に連絡をとって会いに行くのですが、その中の会った一人が、

「世の中は変わっていく。いくら自分の現状のままで居たいと思っても、その世間との兼ね合いを含めて、どうしても状況は変わっていく。」

「未来は常に不確定。でもその分だけ、気楽。ぼくたちの今は、死ぬまでずっと連続した、一つの通過点しかない。」

常に暫定の今を、その無常を意識して生きて行く事に意味がある。その時、その時の、今の状況と自分への折り合いをつけて、決断を下していく、また決断を下せない時は、また下せる時に考えれば良い。イコール、ただひたすら、今できる事を、目の前の事を、可能性を、変わっていく世間を受け入れ、自分との折り合いをつけ、一生懸命頑張って生きていくしかないのだと私は読み取りました。ネガティブにではなく、ポジティブに。夫にもそういった事を伝え、励ましました。

今、この本に、再度出会えて、本当に良かったと思いました。