日本一ダサイPVという、ありえないレベルで不名誉な称号で呼ばれる曲のPVが存在します。
the pillowsの『バビロン天使の詩』です。
果たしてその映像は、まさにその呼び名に偽りなしのシロモノでした。
余り多くない枚数の写真を使ったコラージュアニメーション(写真を切り貼りして動かすもので、手間暇をかけると天井知らずではあるものの……)という手法自体は悪いものではなく、実際わざとチープに見せたい場合に使われることもあります。
しかしそれを本当の低予算で一体どうなるのか。
お金を取る商業作品、あるいはその宣伝とはとても思えない世にも恐ろしい映像が出来上がるのです。
最初に見たのはいつか思い出せませんが、間違いなく画面の前で唖然としたことだけはしっかり覚えています。
それが動画としていつでも見られる時代にいつの間にかなっていたので、だいぶ久しぶりにその映像を見ました。
うん、思い出補正で実物より恐ろしく記憶されていたとかそういう事ではなかったようです。
しかし何度も見ているうちにだんだんとこのPVが本当に何となくですがかっこよく思えてくるという謎の自覚が発生してきました。
それもそのはず、曲自体は本当にいい曲でカッコイイんです。
所属会社の方針転換でブレイク一歩手前だったthe pillowsに掛けられるはずの予算が蜃気楼の果てに消え失せてあの有様になったんであって、音楽自体はかなり本気で作られていたという事なんだと思います。