「やりがいのある仕事」という幻想

作者は元大学助教授で現在小説家として活動している方の著書です。

冒頭でも記述があるのですが「働き方」についてのエッセイをということで書かれています。

前職が大学の助教授をしていることから、就職活動をしている学生もたくさん見られており、そこから感じていたことや作者の考えを織り交ぜたエッセイが書かれています。

そもそも作者は「会社」勤めをしていない方という、一般の経歴から外れた人であり、さらに言うならば現在の執筆活動も日に数時間と、私や他の人から見ればあきらかに世間からずれている。

その方の視点から今の働く社会や会社というものがどのように見えるのかを抽象的な視点から徐々に具体的な視点にまで焦点を少しずつ近づけたり遠ざけたりして書いているのが、見る人をあきさせないものの、物の本質を捉えるための作者なりのアプローチなのだな感じます。

そもそも仕事にやりがいを感じる必要があるのか。働く必要があるのか。働かなくてはいけないのなら、何を重要にしてその働く内容を選ぶのか。人の価値観や考えは変わるものであり、そのことにこだわる必要が無いことなど、人の本質を踏まえたうえでの書き方は、無理せずともよく、もっと単純に考えてもよいのではないかと考えさせられる内容でした。